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平成16年1月 吉日 会長 土師 比佐夫
厳寒の候、皆様にはますますご健勝のほどお慶び申し上げます。私ども全日本聴覚障害スキー指導員会は聴覚障害スポーツ団体『特定非営利活動法人(NPO:Non Profit Organization)全日本聴覚障害スキー指導員会』として2003年11月18日に東京都庁より法人認可を取得し、新たなスタートを切りました。
低迷している聴覚障害スキーヤーをもっと増やそうとNPO法人化を決意したのは今から1年半前にさかのぼります。まだ手話通訳者制度ができていなかった数十年前までは、聴覚障害者はスキー学校の教師から正しいスキー技術を教わることができず、教師の滑りを見よう見まねでスキー技術を覚えるしかありませんでした。このため、聴覚障害者スキーヤーの中にはスキーの本当の楽しさを味わうことができず中途半端なスキー技術のままでスキーをやめてしまった人が多かったのではないかと思います。このようにスキーを学ぶ環境が十分整っていない中で、一部の聴覚障害スキーヤーは地道な努力を積み重ね、全日本スキー連盟側の理解もあって十数年前に聴覚障害者の公認スキー指導員が初めて誕生しました。それ以来、全国の各地で聴覚障害者の公認スキー指導員が少しずつ増えつつありますが、現時点でも全国にたった30名弱しかおりません。現在もスキーが好きな聴覚障害者は大勢いますが、スキー技術を学ぶ環境は聴覚障害者にとって恵まれているとは言いがたい状態です。周りのスキーヤーを見よう見まねでスキー技術を覚えていくのは昔から少しも変わっていないのです。このままでは聴覚障害者スキーヤーのスキー技術の向上はおろか、聴覚障害者スキーヤーを増やすことができません。彼らに正しいスキー技術を教え、スキーの喜びを味わってあげられるのは、私たち少数の聴覚障害者の公認スキー指導員の任務ではないかと思います。そういうこともあって、全国にいる聴覚障害の公認スキー指導員が中心となって全国にいる聴覚障害者へ改めてスキーの楽しさや面白さを味わってもらおう、正しいスキー技術を広めていこうじゃないかという皆の考えが一致し、特定非営利活動法人全日本聴覚障害スキー指導員会を設立致しました。当指導員会は、聴覚障害者へのスキー技術の普及だけでなく全日本スキー連盟や各都道府県スキー連盟、スキー関連出版社に対しても字幕付きビデオ教材の要望や聴覚障害スキーヤーへの配慮等をお願いしなければならないことがたくさんあります。また聴覚障害者の皆さんがスキーを楽しめるようなスキー技術選手権大会の開催や、新しいスキー用語の手話研究など、各種事業もやらなければならないと思っております。
今後からはNPO法人として全国にいる聴覚障害者へのスキー普及、聴覚障害の公認スキー指導員の育成という明確な目的を持って具体的な活動を展開していくことになります。また、そういった活動の中から将来の日本を代表するような聴覚障害者のスキーヤーをより多く輩出していきたい。そういった目標を常に持ち続けていきたいと考えております。今後とも当指導員会に対して、皆様の温かいご支援、ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 |