実施日 2007年2月10日~12日
実施場所 尾瀬かたしなスキー場


三井住友海上火災保険(株)様、同スマイルハートクラブ様の助成を受けて実施しました。

「親子スキー教室を通して見えてきたもの」

2007年5月12日
第1回親子スキー教室総括責任者 田島久美子
(NPO法人全日本聴覚障害スキー指導員会 事務局)

 早いもので皐月の候、若葉がまぶしい清々しい季節になりました。新年度も1ヶ月が過ぎ、子どもたちも学年がひとつ上がり、日々成長していく姿が以前にも増して頼もしく感じられていらっしゃることでしょう。
大変遅くなりましたが、2月10~12日に開催されました「第1回デフ親子スキー教室」の参加者ならびにスタッフの感想文をまとめた『雪んこ Vol.1 2007』を発行させていただく運びとなりました。ご報告が大変遅くなりましたことをお詫び致します。
このたびは、私ども東京デフスキークラブ「第1回デフ親子スキー教室」にご参加いただきまして、まことにありがとうございました。おかげさまで、当クラブならびにNPO法人全日本聴覚障害スキー指導員会のジュニアスキースクール自主開催としては初の企画ではありましたが、無事に怪我もなく、また参加された全員のスキー技術のレベルアップが図れ、アトラクションも楽しんでいただき、盛大のうちに終了することができました。これもスタッフはじめ、参加された皆様のご協力の賜物と厚く御礼を申し上げます。

 私どもスタッフ全員が加入しております「NPO法人全日本聴覚障害スキー指導員会」では、事業活動の一つに『次世代デフスキーヤーの育成=ジュニアスキー指導事業』を掲げており、今年度より本格的に当事業を開始しました。以前より当会の指導員が個人的に依頼を受けてジュニアスキー指導をすることはありましたが、組織的にジュニア育成をメインとしたスキー教室を自主開催するのは今回が初めてでした。これに先立って、金銭面でできるだけ子どもたちが参加しやすいように、助成金を受けられないか模索したところ、「三井住友海上火災保険株式会社スマイルハートクラブ」様より助成をいただくことができました。おかげさまで、たくさんの参加者にお集まりいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。来年度も同団体様より助成をいただくことが決定しましたので、引き続き来年も同時期に実施していくことがほぼ決定しております。ぜひご参加いただきたいと思います。

 今回、3日間のスキー教室を通して感じたことは、やはり「子どもはやればできるという可能性を大きく秘めている」ということです。興味をもってスキーに取り組む、真剣に講師の話を聞いて教わった通りに滑る子どもたち、聞こえなくてもきちんと教わることのできる環境があれば、スキーも驚くほど上達していくのです。最終日の親子でポール滑走したときの子どもたちの滑る姿を見て、まさにそれを実感しています。感動そのものでした。私たち指導員にとっても、今後のジュニアスキースクール事業に確かな手ごたえを感じた3日間でした。本当にありがとうございました。


【事務局通信】
【2007.5.10】
  第1回デフ親子スキー教室にご参加いただき、ありがとうございました!
来年度も三井住友海上火災保険(株)様、同スマイルハートクラブ様の助成を受けて実施することが決定しました。つきまして、来年も2月9日~11日に尾瀬かたしな高原スキー場で第2回デフ親子スキー教室を開催する予定です。

参加者の皆様の声を生かして、よりよい企画にしていきたいと思いますので、乞うご期待ください。
【2007.5.27】
 後日、参加してくださっただいき君、じゅんぺい君のお父様より、御礼を兼ねた飲み会に誘われましたので、その様子をUpしました。
 お誘い、ありがとうございました!
 飲み会の様子はこちら


~アルバム~

~開校式にて 準備体操はしっかりね!

ひろみ先生(せんせい)といっしょに
あかりちゃん
としきくん
みゆきちゃん
 美沙(みさ)さん

おとな班もしっかり講習です!
パパ・ママもいっしょうけんめいだね
二日目の朝

二日目の朝

ちなつ先生(せんせい)の班(はん)も、雪(ゆき)がいっぱい降(ふ)るなかで、みんな一生(いっしょう)けんめいすべっているね

すべったあとには、雪あそび。たのしいね! みかさんとこうたくん

 いよいよ
「みかんさがしゲーム」
 はじまるよ!
よういはいいかな?

みんなで雪のなかを掘(ほ)る!掘(ほ)る! みかん、あったかな~? ↓いっしょうけんめい掘るけいたくん

みかん、あったよ~ パパ・ママも真剣に見守っていますね

みかんにかいてある番号(ばんごう)とおなじ番号のプレゼントがもらえましたね なにがはいってたかな?

けいたくんとあかりちゃんなに話(はな)してるのかな? はしもとせんせいととしきくん「だっこしてぇ~」

すっかりなかよしのこどもたち 夜の交流会も盛り上がりました!

ちなつせんせい班のみなさん ひろみせんせい、はしもとせんせいの班

おとな班(土師桂子講師と田島講師の2班合同です)

全員集合!
みなさん、ありがとうございました!また会いましょうね!
講師スタッフ陣

(左から)
工藤(くどう)千夏(ちなつ) 講師(こうし)

星(ほし)ひろみ 講師

田島(たじま)久美子(くみこ) 講師

土師(はじ)桂子(けいこ) 講師

粟野美佳(あわのみか) スタッフ

橋本(はしもと)長雄(ながお) 講師



~参加されたみなさんから~
【けいた君】
【けいた君のお父さん)】
指導員の皆さんに教えて頂いたお陰でとても上達しました。ありがとうございました。スタッフの皆さんとも通じ合え、スムーズに出来てとても良かったと思います。

【だいき君】
【だいき君のお父さん)】
スキーのご指導を頂いたことも勿論ですが、何よりも新しい友達・仲間が増えたことが親子ともども、嬉しく思っています。
この企画が2度、3度、何回も続くことを切に希望致します。

【こうた君】
【あかりちゃん】
【こうた君、あかりちゃんのお父さん、お母さん)】
京デフスキークラブさん、そして、NPO全日本聴覚障害スキー指導員会の指導員方々、子供達のために、又、親達のためにデフ親子スキー教室を企画してくれてどうもありがとうございました!
初めての企画に大変な準備だったにもかかわらず、3日間疲れた顔もせずに私達に接してくれたことに大変感謝しています。最後の日の子供達への賞状は、指導員達の一言が子供達にとって何よりもうれしい一言だったようです。聞いていた私も感激して涙ぐむほどうれしかったですっ!
ホントにお疲れ様でした。又の再会を楽しみにしてま~す。

【じゅんぺい君】
【じゅんぺい君のお父さん)】
スキーに行っても潤平に教えるのはむずかしく、デフスキーのツアーがあるのを知り行くことにしました。先生たちはどうやって教えるのか興味しんしんでした。でも子供とは別でそれはわかりませんでした。ただ自分が教えてもらい、スクールも楽しくやれましたし、夜のミーティング、夕食などで手話はへたですがどうにか自分なりに話はしたと思います。
いつも学校の人たちの交流だけしかしていない私は、ちがう世界で話し遊べました。また機会があればぜったい参加したいと思いました。

【だいき君、みゆきちゃんのお母さん】
久しぶりに東京デフSKI部のメンバーに再会できる、親子のふれあい、という2つの目的があって参加したキャンプはとても有意義な日々でした。
カービングSKIの基礎をろうの指導員から教えてもらったことは大変よかった。
子供もろうの指導員から教えてもらったことはいい機会だった。ろうの子供達とあそぶ機会が少なかった子供達にとってはよかったと思う。

【まさかず君(中学1年生)】
1日目、田島先生からスキーを教えてもらいました。ありがとうございました。旅館で夕食が終わった後、はじめての友だちが増えました。うれしいです。みんなと遊びました。楽しかったです。
 2日目も、スキーの勉強をしました。でも、だめでした。田島先生からスキーの説明を聞きました。少しわかったみたいです。昼食のとき、焼肉丼とラーメンを食べました。友達とも話をしました。昼食が終わった後、スキーの勉強をしました。田島先生が「上手」と言ってくれました。とても、うれしかったです。旅館では、少し遊んだりゲームをしました。僕は小回りができないので、田島先生が少し教えてくれました。難しかったです。スキーの勉強が終わって、昼食の前に、ゲームをしました。みかん探しのゲームをしました。少し、楽しかったです。スキーの先生たちから、賞状とプレゼントをもらいました。昼食を食べ終わってから友だちと一緒に滑りました。先生たちに会って、一緒に滑りました。最後だから、なんだか寂しかったです。だけど、また今度、一緒にスキーに行きたいと思います。楽しみです。


【まさかず君、としき君のお父さん】
昨年の6月にスキー雑誌で聴覚障害者のスキークラブの存在を知りました。何回かスクールに入り基礎を学ばせましたが、悪い癖をどう早く理解し直させれば良いか悩んでいました。そんな時、親子スキー教室の開催を知り手話で教えていただければ上達も早いのではないかと思い申し込みました。
参加してこんな生き生きした子どもの顔を久しぶりに見ました。
兄(雅和)の方はご指導によりスキーの上達が早く、またスキー以外でも皆さんと親睦を深めることが出来とても楽しかったみたいです。また、弟(稔己)はスキーをして間もないため補助具を付けないと滑れない状態でしたが先生方の指導により補助具なしで滑れるようになりました。先生方のご苦労を考えると感謝感謝の連発です。ありがとうございました。私は、ここ2年間は稔己の面倒で大部分を費やし、スキーを学ぶことができませんでしたが、教室で基礎を学ぶことが出来大変満足でした。家族全員が大満足でした。スタッフの皆さん本当にありがとうございました。来年も是非参加したいと思っています。この教室が1回だけでなく何回も続きますよう是非企画していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【まさかず君、としき君のお母さん】
子どもが難聴になってから、「あれをしなさい。」「これをしなさい。」と親が主導権をもって学校も決めてきました。スキーを始めたのも、親自身がスキーが好きで、何でも経験させたいという気持ちから始めました。初めのうちは、ただ直滑降で滑るだけでした。それを、ターンするように伝えるには、前や横を滑ってみせる位しかできませんでした。見よう見まねでターンはできるようにはなりましたが、その先の技術向上には説明がうまく伝わりませんでした。普通のスキー学校のスクールにも何度か入れてみましたが、結局何を言われたのかわからないようでした。「いいよって言われた」と満足して戻って来ましたが、あまり成果は見られませんでした。それでも、だんだん『スキーが上手になりたい。』『スキーの先生になりたい』という想いを持つようになってきました。そんな時、季刊誌『いくおーる』でこの教室の記事を見つけ、すぐに参加を申し込みました。戻ってきたメールに、「手話はわかりますか?」「わからないお父さんには、お母さんが通訳してください」などと書いてあったので、15年以上も前に手話サークルで勉強した手話だけで大丈夫かな?と不安を抱きながら参加をしました。しかし、そんな心配はいらなく、私の手話らしきもの?を読み取ってくれ、更に健聴者にはほとんど口話で話をしてくれました。幼児期からほとんど手話に触れていない息子も、片言の手話で会話を楽しんでいました。いつも、健聴者の中に難聴児が一人という環境の中、なかなか話の最後まで人の顔を見ていないで、肝心の部分を聞き逃すことが多かった息子が、この教室では、じーっと相手の目を見て手話で笑いながら会話をしている姿をみることができて、うれしいと思いながらも、同じ障害を持った人との交流を持つ機会を増やしてあげたいと思いました。スキーの指導を受けているときも、先生から言われたことを考えながら滑る姿を見て感激しました。
 また、甘えん坊の弟のトライスキーが取れて、同じ斜面を滑れるのは、あと2年後かな?なんて思っていたのに・・・先生はとても大変だったでしょうが、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。更に、子どもばかりでなく、親までしっかりスキーの指導をしていただきありがとうございました。
 これから先も、ぜひこのクラブの行事に参加させたいと強く願っています。
その節は、よろしくお願いいたします。

~講師より~
【工藤千夏 講師】
親子スキー教室以来、ふた月以上が経ちましたが、あの3日間の出来事はまだ昨日のことのように覚えています。
経験者の方からアドバイスをいただいたり、スタッフの召集、資料集め、内容をああしようこうしようなどなど話し合ったりしながら半年前から準備を重ねてきましたが、いざ参加申込開始になって沢山のお問い合わせを頂いた時は、至らない回答ばかりして申し訳ありませんでした(A--;)
そして、どんなご家族の方なのかなあと当日は皆さんとお会い出来るのを心待ちにしておりました。実際、それは期待していた以上の、楽しいお子様や、お父様、お母様が多くいらっしゃって下さって、長年このようなスキー教室に携わることを夢見ていた私にとって、かけがえのない3日間となりました。
私はスキー歴のある小学2~4年の子どもたちの担当をさせて頂きました。こうたくん、みきちゃん、じゅんぺいくん、しょうじだいきくん、しのきだいきくん、たかしくん、それぞれ個性のあるいいお子さんでした。私は、正直にいうと自分の精神年齢は低い(?!)と思うので、子供心に戻って子供たちと一緒になって遊びたい気持ちがあった一方で、自分のことを「先生」と思わせないとスクールは成り立たないと考えました。そこで、星さんに参考に教わった「先生のいうことを聞く」 「わがままを言わない」 「みんなと助け合う」 この3つを初めに約束してもらいました。そうこうしているうちに、子供たちは自然と仲間意識を持つようになった様で、1人が出遅れると1人がフォローしたり、注意したり、私のいうことを素直に聞いてくれる場面がいくつもありました。ゲレンデ移動の時にも、ある子は「僕いちばん後ろで大丈夫、みんなを見てるから」と協力してくれるところもあり、感激してしまうほどでした。
このようにチームワークも良かったお陰で、雪上スクールもスムーズに運べました。ほとんどトレイン(電車のように連なって滑ること)が多かったと思いますが、私の次とその次を滑っている子は(先生の)お手本がよく見えるのかワンランクアップしたような滑りをしていました!なので、かわりばんこに順番を代えてトレインをしました。もっと上手くなりたい~と言う子もいましたので、時にはちょっと難しい技(?)も教えたりしましたが、それでも楽しそうについてきてくれたので、この行事に限らずもっともっと教えていけたらいいのになあと思うようになりました。
又、合間の休憩で雪合戦をした時のみんなの笑顔は本当にイキイキしていて最高でした。ペアリフトの時もみんなそれぞれと一緒になるようにして、学校のことやお父さんお母さんのことを話したり、冗談も交えたおしゃべりも貴重な時間だったと思います。
長くなりましたが、さいく屋での交流や食事も皆さん協力的で、私たちスタッフも助けていただいた場面が沢山ありましたし、素敵なご家族の皆様方にお会い出来たことを心から嬉しく思っております。
また、お忙しい時間を割いて感想文やアンケートを書いて下さり有難うございました。皆さんの声をひとつひとつ聞きますと、聞こえない子供が聞こえない先生にスキーを教そわる大事さを実感するとともに、今後も反省点をあらため皆さんの一年間の恒例イベントとなりますよう努めてまいりたいと思いました。
また来年の冬、お会いできるのを楽しみにしています!有難うございました。(ビデオスタッフを設けたりなどして、講習の様子をお父さんお母さんに見せられるようにしたいな~)



【星ひろみ 講師】
初めての親子スキー教室、初めてのレッスン、全てが初めてづくしで企画した時から常に「いかに楽しませられるか?」が頭にありました。
ドキドキしつつも当日を迎えましたが、個性豊かな子供達に親御さん達にいつのまにか私達スタッフも打ちとけこむ事ができ、レッスン中はもちろん、食事中や交流会などの会話もひとつひとつに意義深いものを感じました。
レッスンの方ですが、あかりちゃん、みゆきちゃん、美沙さんを受け持ちました。
「泣かない」
「先生の話をちゃんと聞く」
「友達を助ける」
この三点を約束しましたが、みんな一生懸命がんばってくれたので最後まで楽しくレッスンができました。
滑り終えた時のみんなの笑顔は素敵でした。みんなが先生を育てさせてくれるのだと思います。
子供達の夢や可能性は無限大です。ついつい助けたくなる時やかばいたくなる時もありますが、一歩引き下がって見守ったり、やらせてみる事も愛情のひとつだと思います。子供達がこれからもスキーを通して色々な事にチャレンジしてくれたら、こんなに嬉しい事はないと思います。親御さん達と一緒にこれからも子供達を見守って行けたら良いですね。
今回は、レッスンだけじゃなく、色々な面で子供達や親御さん達と触れ合う事ができて本当に良い経験になりました。また色々学ばせて頂きました。感謝してもしきれないと言うのが正直な気持ちです。
ありがとうございました。
また一緒に滑りましょう!!!
シーハイル!


■2007年 2/10(土)
 11:00~12:00 宿泊場所「さいくや」にて集合・受付
 12:30 スキー場へ送迎バスで移動
 13:00~ 開校式
 13:30~15:30 講習
こども…クラス別講習
大人…クラス別講習&15時からはこども講習見学
 15:30~ フリータイム
 16:15 スキー場入口集合→送迎バスで宿へ移動
 18:00 宿にて夕食
夕食後  雪のお話(子どもたち向けに)
■2/11(日)
 7:30 朝食
 8:50 集合・スキー場へ移動
 9:30~11:30 クラス別講習
 ~12:45 昼食(みんなで一緒にいただきます)
 12:45~14:30 クラス別講習
 14:30~15:00 アトラクション(ゲームなど)
 15:00 おやつ「ソフトクリーム」
 15:30~ フリータイム
 16:10 スキー場入口集合→送迎バスで宿へ移動
 18:00 宿にて夕食
夕食後  親睦会・ゲーム交流会
■2/12(月・祝)
 7:30 朝食
 9:00 集合・スキー場へ移動
 9:30~11:30 親子教室・親子一緒に滑走
 11:45 閉校式
 12:15 スキー場で解散
■宿泊場所
〒378-0413 群馬県利根郡片品村越本1765
Tel&Fax 0278-58-2435
温泉民宿 さいく屋
《講師スタッフ》5名
土師(はじ)桂子(けいこ)
田島(たじま)久美子(くみこ)
橋本(はしもと)長雄(ながお)
星(ほし)ひろみ
工藤(くどう)千夏(ちなつ))
(東京 指導員)
(東京 指導員)
(東京 準指導員)
(東京 準指導員)
(千葉 準指導員)
《その他スタッフ》2名
粟野美佳(あわのみか) (東京)
永井(ながい)美恵子(みえこ) (神奈川)